レッスン９日目・最終回

【高雅で感傷的なハリング（ノルウェーのおどり) 】前回番外編としてアップした「弾き合い会」から、２週間が経ちました。まさかの人前での演奏、という想定外の一幕でしたが、終わってしまえば肩の荷が降りて、もはや恥ずかしくも楽しい良き思い出です。アアー、これで終わったー！…っと行きたいところなんですけど、もちろん最後の回のレッスンが待っています。先生が次においでになる日程の関係で、幸い最終回まで約２週間の間が空きますから、ぼーっとする暇もなく最後の仕上げの自主練習をたっぷりとしておかなくてはなりませんでした。前よりは切羽詰まった状況ではないけれど、その分スムースに曲全体を通して弾く、そして曲の趣旨を理解し表現できるように、強弱を付けて弾けるようになることを念頭に、この２週間は退社後、ただひたすらに繰り返して練習してきました。そして本日はレッスン９日目。これまで３ヵ月コースを体験レポートしてきた私の本気修業も、いよいよ最終回を迎えました。最終回は仕上げのおさらいと、私の演奏のビデオ撮影ということになっています。上野先生にレッスンして頂くのもこれがラストだと思うと、感慨もひとしおです。まずは、情感豊かに聴かせるための弾き方のポイントを再確認してもらい、何度か通して聴いてもらいました。曲のモチーフになったのは、お祭りなどのときにノルウェーの民衆がみんなで披露するという舞踊の伴奏。遠くから踊りに誘うように静かに静かに。そして足を高く上げ場がわっと盛り上がる。最後はさりげなく、静かに遠ざかり踊りの輪が去ってゆく。１分何十秒の中に、そんな物語をどれだけ込めることができるでしょうか。自分にとって満足のいく演奏とはかけ離れてはいますが、後ろ髪を引かれつつもどこかで目処を付け割り切るしかありません。そしてようやく心が決まったところで、いよいよカメラを回すことに。それがこの映像です。どうぞ。

フゥ～・・・・。ハア～～～～・・・・・・・・・・・・・・・・・。いまさらですが緊張しました。でも出し切りました！　ぅう、なんも言えねぇー！！この映像、何テイク目だったかさえ忘れてしまいました。 100％と完璧な演奏というわけにはいきませんでしたが、どうですか？みなさまの脳裏にはノルウェーの素朴なお祭りのシーンが浮かんできましたか？映像を見返しながら、ほっとしたような、でもなんとも寂しいような、そんな抜け殻のような心持ちです。「３ヵ月で１曲を弾こう！」体験記、スタッフ鈴木の本気修業はこれにて終了いたしますが、これまで聴くのみだったピアノに自ら触れてみて知ったことがたくさんありました。ピアノという楽器の個性、音楽を習うということ、同じ楽譜から生まれる演奏家なりの解釈とその表現、等々。これまで縁遠かったピアノに少しだけ近づけた気がして、前にも増してピアノが紡ぐ音楽が好きになったような気がします。今回のレッスンで、ここまで私を育て上げてくれた（笑）上野先生には改めて感謝いたします。そして、この浮ついた長ったらしい日記を、これまで飽きずに読んでくださった読者のみなさま、本当にありがとうございました。次は、